草地生態系(川村健介)

 飼料生産の場(家畜の餌)として利用される人工草地では, 生産性の向上だけに特化して草地造成や過度の施肥を行ってきた結果, 草地からの窒素流出による河川の水質汚染や周辺生態系の土壌汚染など 様々な問題が表面化しています。これらの問題解決に向けて,時々刻々と変化する植生の状態を定量的かつ広域に評価する草地診断技術として衛星および航空機画像が広く利用されています。

 一方で,日本のように小規模な草地が,中山間地の傾斜部に散在するような状況では,高解像度な画像情報を必要な時に計測が可能なUAV(気球,ラジコンヘリなど)への期待が高まっています。

 以下の画像は,傾斜地に位置するイタリアンライグラス採草地(約4ha)で,気球から草量(BM),植物体中の窒素濃度(N),窒素含量(Nmass)を推定したものです。DEMから見た傾斜の向きに沿って,肥料の影響で生産性に面的なばらつきがあることが分かります。

 東広島市鏡山の傾斜地に位置する広島大学農場(西条ステーション)を

   UAV空撮で作成した3D画像