リモートセンシングで取り組む生態系問題

 人間の生活の安全、安心を支える食糧・住環境・生活環境の確保と保全は、農・林・草・都市・水域生態系の構造と機能に直接・間接に大きく依存し、人間活動はこれらの生態系の変化と一体となってダイナミックに変動しています。 

 しかし、近年、特にこれら各種の生態系における土地、水、植生、環境因子等の質と量の劣化が国内および世界各地で顕在化し大きな問題になっています(ここではこれらを問題生態系と総称します)。

 これらの問題生態系では、時空間的な変動を広域的にとらえ、評価し、変動の要因を解明することが不可欠であるとともに、衛星データによってしか基本データが得られないなどの地域も少なからず存在します。

 すなわち、リモートセンシングをはじめGIS・モデル等空間情報技術による計測・評価は、問題生態系の研究と問題解決にきわめて重要な役割を果たすものです。
   そこで、本研究会では、陸域・水域にわたって遍在する各種の問題生態系を対象としたリモートセンシング等空間情報技術による計測・評価研究にかかわる横断的な情報交換、国内外の研究連携、学術的提言を進めることを目的とします。それにより、リモートセンシングをはじめとする空間情報技術の多方面への利用促進と問題解決への貢献をめざします。