設立趣意書

2008年8月1日

発起人一同

 

研究会名称 「問題生態系計測研究会」

英名 [Scientific Research Working Group] for Problematic Ecosystems Remote Sensing

 

2.設置の背景と目的

 人間の生活の安全、安心を支える食糧・住環境・生活環境の確保と保全は、農・林・草・都市・水域生態系の構造と機能に直接・間接に大きく依存し、人間活動はこれらの生態系の変化と一体となってダイナミックに変動しています。しかし、近年、特にこれら各種の生態系における土地、水、植生、環境因子等の質と量の劣化が国内および世界各地で顕在化し大きな問題になっています(ここではこれらを問題生態系と総称します)。これらの問題生態系では、時空間的な変動を広域的にとらえ、評価し、変動の要因を解明することが不可欠であるとともに、衛星データによってしか基本データが得られないなどの地域も少なからず存在します。すなわち、リモートセンシングをはじめGIS・モデル等空間情報技術による計測・評価は、問題生態系の研究と問題解決にきわめて重要な役割を果たすものです。

 そこで、本研究会では、陸域・水域にわたって遍在する各種の問題生態系を対象としたリモートセンシング等空間情報技術による計測・評価研究にかかわる横断的な情報交換、国内外の研究連携、学術的提言を進めることを目的とします。それにより、リモートセンシングをはじめとする空間情報技術の多方面への利用促進と問題解決への貢献をめざします。

 

3.主な研究対象・テーマ

地球上の農・林・草・都市・水域・海域等の広範な生態系のうち、食糧生産・生活環境等の確保と保全に関して特に問題となっている生態系の構造と機能に関する研究取組みを主たる対象とします。リモートセンシング等空間情報技術の活用を通した、生態系問題の解決に向けた取組み方、手法、データ、人材育成等について、分野横断的な情報の交換ならびに研究連携、学術的提言の促進を進めます。

 典型的ないくつかの例

  ・土地・森林生態系の劣化が進んでいる焼畑生態系

  ・食糧生産の要となる農業生態系の耕作放棄地や環境保全などの問題

  ・伐採や焼失がつづく森林生態系

  ・砂漠化が進行している草地生態系

  ・水質汚染が進んでいる湖沼生態系・沿岸生態系

  ・水温変化による劣化が進んでいるサンゴ礁生態系

  ・ヒートアイランド化している都市生態系

 

4.活動方法の概要

 1)メーリングリストを開設し、問題生態系に関する話題を随時議論する。

 2)広範な生態系問題に関し、具体的なテーマを設定して、随時ワークショップ類を開催する。

 3)ホームページを開設し、学会内外に研究内容や提言等を発信するとともに、オープンな論議を行う。

 4)これらの活動に基づいて、関連各分野の問題に関するレビューの共同執筆や刊行を行うとともに、連携研究や相互支援の促進、国内外のネットワーム形成を図る。

 5)研究会の開催や報告について学会誌やホームページで発信、報告する。

 

5.研究会組織

 本研究会には代表1名、幹事1名をおき、会の運営・進行・成果の取りまとめにあたる。

 

6.研究会規約

 本研究会は別に定める規約に従って運営される。

 

7.発起人氏名 (所属 主な専門分野)

 井上吉雄 農業環境技術研究所 農地/植生生態系

 石山 隆 千葉大学 乾燥地生態系

 粟屋善雄 森林総合研究所 森林生態系

 山野博哉 国立環境研究所 沿岸生態系

 作野裕司 広島大学 淡水域生態系

 小松義典 名古屋工業大学 都市生態系

 

8.連絡先

  代表 井上吉雄

   (独)農業環境技術研究所

    〒305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3

    Tel: 029-838-8220, Fax: 029-838-8199

    E-mail: yinoue@affrc.go.jp

  幹事 山野博哉

   (独)国立環境研究所

   〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2

   Tel: 029-850-2477, Fax: 029-850-2219

 

研究会設立趣意書.pdf
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